【BLEを使う】nRF51822 の開発環境の構築
かたつむり そろそろ登れ 富士の山
いままでの記事はこちらをご覧ください。
今回からの一連の記事は、NORDICの開発環境を併用してBLE開発を行う方法について解説します。
日本でもNORDICの開発環境を利用できる、技適取得済みのnRF51822モジュールがありましたので、それらを利用することでBLEの本格的な開発が可能となります。
①ホシデン(nRFgo Starter Kitにも使用可能)
②太陽誘電
Bluetooth® low energy|太陽誘電株式会社
③BVMCN5102_BK Kit
http://www.braveridge.com/bluetooth.html#BT LE Dev Tool
まずはnRF51822 の開発環境の構築から始めます。
1.1.Nordicから必要なソフトと文書をインストールする
①登録
NORDICのサイトで、購入した製品をMY PRODUCTSに登録します。
②シリアル番号入力
ソフトウェアをインストールするために製品に付属しているシリアル番号を入力します。
③ソフトのダウンロード
以下をダウンロードします。
nRFgo Studio-Win64もしくはnRFgo Studio-Win32
nRFgo-SDK
nRF51-SDK-zip
S110 SoftDevice (今回は現時点で最新VerのS110-SD-v7を使用します。)
関連する以下の文書もダウンロードするといいと思います。
名称 | 内容 |
---|---|
nRF51822 Evaluation Kit User Guide | セットアップと評価キットの使用方法、KeilおよびSoftDeviceの設定などに関する情報が含まれています。 |
nRF51 SDK documentation | これはSDKのインストールフォルダのドキュメントのサブフォルダにあり、SDKと更にはNordicデベロッパーゾーンにおけるすべての関数のAPIドキュメントが含まれています。 |
S110 nRF51822 SoftDevice Specification | リソースの使用量と高レベルの機能を含め、S110 SoftDeviceに関する情報が含まれています。 |
nRF51822 Product Specification | ハードウェア、モジュール、およびnRF51822チップに特有の電気的仕様の記述が含まれています。 |
nRF51 Series Reference Manual | nRF51シリーズのすべてのチップ用にサポートされるすべてのモジュールや周辺機器の機能説明が含まれています。 |
nAN-15: Creating Applications with the Keil C51 Compiler | このアプリケーション•ノートでは、Keil社のμVisionの使用方法について解説しています。もともとはnRF24LE1チップのために書かれたものですが、セクション3.3「ファイル構成」およびセクション3.4「プロジェクトのデバッグ」はnRF51822チップにも適用できます。 |
1.2.Keilのインストール
KEIL ARM MDK5をダウンロードします。
ダウンロードしたインストーラを起動します。v4で作成されたプロジェクトを使用するためには、レガシーデバイスのサポートもインストールしたほうがいいかもしれません。
Nordicが公開している最新のサンプルプログラムには、v4のプロジェクトとv5のプロジェクトの両方が含まれています。
インストール方法はネットに多く公開されているので、ここでは詳細を説明しません。例えば以下をご参照ください。
http://trisuliswanto.blogspot.jp/2014/08/instalasi-keil-uvision-5-mdk-arm.html
1.3.nRF51 SDKのインストール
ダウンロードしたnRF51-SDK-zipを展開して、インストーラを実行します。
nRF51 SDKのインストール後に、自動的にJlink OB CDC Driverのインストーラが起動するので、実行してインストールします。
1.4.J-Linkのインストール
Seggerのサイトへ行き、J-Link software & documentation pack for WindowsのDownload ボタンをクリックします。
SEGGER - The Embedded Experts - Downloads - J-Link / J-Trace
SEGGERに貼られたシールの番号を入力し、インストーラをダウンロードします。
インストーラを実行します。
インストールに成功すれば、以下のようにデバイスとして認識されるようになります。
1.5.nRFgo studioのインストール
ダウンロードしたnRFgo Studio-Win64もしくはnRFgo Studio-Win32を実行します。
1.6.nRFgo studioによるS110の書き込み
開発キットをnRFgoマザーボードに取り付けて、もしくは別の開発キットを用いてnRFgo Studioを起動します。
nRFgoマザーボードの電源スイッチをONにするとStarter kitが認識され、nRFgo Studioに表示されます。場合によってはstarter kitのファームウェアの更新をするかどうか聞いてくるので、OKとして更新してください。
Device ManagerにBoard番号が表示されているはずなので、その番号を選択して、USBから給電する電圧VTGがを3.3Vになっていることを確認します。
Device Manager のBoard矢印をクリックすることで展開して、Module - nRF51822を選択します。
ソフトデバイスS110がインストールされていないので、Region1(Application)のみが表示されています。
S110を書き込まないと、BLEの諸々の関数が使えないので、NORDICのS110サンプルプログラムは動作しません。
Program SoftDeviceタブをクリックし、File to programにダウンロードしたS110-SD-v7に含まれているs110_nrf51822_7.0.0_softdevice.hexをBrowseで直接選択し、Programをクリックして選択したhexファイルを書き込みます。
SoftDeviceの書き込みに成功すると、Region 0(SoftDevice)領域として88kBが確保され、ファームウェアのバージョンが表示されます。
他にはセントラルの機能も持ったS120やα版が公開されているS130もあります。必要に応じて、ソフトデバイスを書き換えてください。
以上でnRF51822を開発する環境は一通り揃いました。次回は実際にKeilを使用し、サンプルプログラムをコンパイルして、デバッグして、書き込むのを説明します。